【仕方がない?】バルブの完成度にはばらつきが起こります!それが起こる理由は・・・

こんにちは。近江クリエイトです。

 

みなさんは全く同じバルブを新しく何台か設置したのにその中で1台だけ壊れたという経験はありませんか?

「同じバルブなのに1台だけなぜ?」と思った方もいるかと思います。

なぜ同じ製品なのに性能に差が出るのでしょうか?

 

 

その答えは「バルブには公差があるから」です。
ちなみにこれはバルブだけに限らず機械品やそれ以外の製品全てにも言えることです。

 

ということで、今回は製品と公差の関係について解説していきます。
この記事を見ることでバルブの個体差についての理解を深めることができます。そして個体差がある上でのバルブ選定方法に役立つ考え方についてもお伝えします。

是非最後まで見て参考にしてみてください。

目次

  1. バルブに個体差がある理由・・・製品には「公差」があるから
  2. 公差はJISやメーカーによって基準が決まる
  3. 個体差がある中でのバルブ選定方法の考え方 
  4. まとめ

 

1.バルブに個体差がある理由・・・製品には「公差」があるから

バルブに個体差がある理由は、製品には「公差」があるからです。

ちなみに公差とは、機械工学において許容される差のことを言います。
例えば、面間が200mmのバルブの公差が±3mmだとすると197mmも203mmも公差内なので製品上は「面間200mmのバルブ」ということになります。

この公差は製品のありとあらゆる部分に設けられています。
深掘ると・・・
本体鋳物やステム、シートリングなど部品ごとにも公差があり、それを組み立てていった完成品にも公差が設けられます。
これらは正確な寸法ではなくても公差内をクリアしていれば良いということになります。

このようにして製作されていく為、製品として良品の中でも少しずつ個体差が生まれていくのです。

2.公差はJISやメーカー独自によって基準が決まる

参照:Wikipedia「日本産業規格」

 

ではこの公差はどのようにして決めているのでしょうか?

それは大きく2パターンあります。

①JISなどの「規格」による

工業製品の多くは「規格」によって設計、製造されます。
この規格とは、工業製品の寸法や形状、材質などの標準を決め統一化を図ったものです。

バルブにおいてはJIS(日本産業規格)、ISO(国際標準化機構)、ANSI(米国規格協会)、ASME(アメリカ機械学会)、API(アメリカ 石油協会)、JPI(日本石油学会)などの規格があります。

バルブメーカーは用途やバルブの種類に応じてこれら規格を採用して設計、製造を行っているので、公差も規格に沿って決まっています。

②メーカー独自で決定する

規格にないバルブや自社オリジナルで設計したバルブの場合は、上記の様な「規格」がない場合があります。

その場合は、メーカー規格として独自で寸法も決めているので、合わせて公差を決めることになります。
そうした場合もただやみくもに公差を決める訳ではなく、「面間についてはJIS規格を採用する」や「○○に納入した物が上手くいったのでそれを当社の標準化にする」といった様に規格を参考にしたり、自社の経験に基づいて決めたりしています。

 

バルブメーカーは、以上のような規格や基準をそれぞれ採用・制定してバルブの設計・製造を行っており、それに合わせて公差を決定しているということです。

3.個体差がある中でのバルブ選定方法の考え方

ここまでで製品には個体差があるということは理解いただけたと思います。

ではその様な中で、どのようにしてバルブ選定をしていけばいいのでしょうか?
考え方としては2つあります。

 

1つ目は、代品を手に入れやすい物を選定することです。

なぜなら万が一破損してしまった場合、すぐに代わりの物を入手できないと工事の遅れに繋がったりするからです。

例えば実際、汎用性がなかったり、メーカー自体の製作数が少ない為に代品の用意に3ヵ月以上かかったりするケースもあります。

よって同等品を入手しやすい汎用バルブや供給力のある大手メーカーのバルブを選定するのがいいでしょう。

☟以前に汎用バルブに関する記事も上げてるのでこちらも参考にしてください。

【必見】汎用バルブとは何か?汎用バルブを選ぶ際の注意点とは??

こんにちは。近江クリエイトです。 流体を制御するために用いる「バルブ」。 あなたは、この「バルブ」を作っている会社は何社あるか知っていますか?   正解は200社…

 

2つ目は、部品ごとに交換できるタイプを選定するということです。

なぜなら部品ごとに交換できれば、もし破損した場合にその悪い部分だけを簡単に取り替える事ができるので大事に至らない場合もあるからです。

例えば、バタフライ弁などは分解メンテも容易なので、悪い部品だけを取り替える事などもできます。また軽量なので交換作業も比較的行いやすいのも利点です。

よって部品交換ができるタイプや部品交換が容易なタイプを選定することが良いと言えます。また購入前に部品の供給ができるタイプか確認するのもいいでしょう。
さらに、部品ごとに交換できるような特殊バルブをオーダーメイドで製作依頼する事もいいかもしれません。

 

以上2つの考え方を参考にしてみてください。

4.まとめ

今回は、今回は製品と公差の関係について解説しました。

最後に今回の内容についておさらいです。

①製品には公差があるからばらつきが出る。

②公差はJISなどの「規格」やメーカー独自で規定している。

③個体差がある中でのおススメ選定方法
・代品を手に入れやすい物を選定すること
→汎用バルブや大手メーカー品を選ぶ
・部品ごとに交換できるタイプを選定すること

 

以上が今回のまとめとなります。

実際、日用品でも長持ちする物もあればすぐ壊れてしまう物もあります。
もちろん自身の使い方に影響する部分もありますが、そもそも製品には全て「公差」があるので元々ばらつきがあるのです。

その上で、この記事がどのような物を選定すれば良いかどのように対処すればいいかの参考になればと思います。

 

【仕方がない?】バルブの完成度にはばらつきが起こります!それが起こる理由は・・・” に対して2件のコメントがあります。

  1. 生野 道雄 より:

    空気式自動弁の開閉時間を計算で出せる書式ありませんか?
    バルブ自体のエアーの体積をSV-BOX内の電磁弁の吐出量で割ればと思うのですが
    何かいい資料がありましたらお知らせください
    よろしくお願いいたします

    1. omi-create より:

      回答お待たせ致しました。
      空気式自動弁の開閉時間については、おっしゃる通り、シリンダの体積とシリンダへのエア供給量、
      さらに下部バルブの種類によって推力、トルクも異なりますので、これらを加味し計算する必要があります。
      但し、この推力、トルクは各メーカー独自の物なので、他では中々知りえない情報でもあります。
      申し訳ございませんが、空気式自動弁の開閉時間を明確に算出できる資料はございません。

      以上、回答とさせていただきます。
      よろしくお願い致します。

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