【シーティング方式】ポジションシーティングとトルクシーティングの違いとは?
こんにちは。近江クリエイトです。
みなさんは、電動のバルブにおいて「ポジションシーティング」と「トルクシーティング」があるのは知っていますか?
実際に「聞いたことはあるけど違いに関してはあまりよく分からない」という声を多く耳にします。
ということで、今回はポジションシーティングとトルクシーティングの違いについて解説していきます。
この2つでは、電気結線の方法や制御の考え方が異なりますので、是非最後まで見て参考にしてみてください。
目次
- ポジションシーティングとは?
- トルクシーティングとは?
- ポジションシーティングとトルクシーティングの違い
- まとめ
1.ポジションシーティングとは?
ポジションシーティングとは、バルブの閉止時に「設定した位置」で停止させることを言います。
この方式の利点は、シート面を含めバルブや駆動部に生じる閉止時のシート荷重が小さく、バルブの保護に優れていることです。
ポジションシーティングの調整は、適切な位置に電動停止させるリミットスイッチを調整することで行います。
またトルクスイッチより手前にリミットスイッチが働く様にセッティングしますので、トルクスイッチの役割は「過トルク検知」になります。
ポジションシーティングの適用弁:仕切弁、ボール弁、バタフライ弁など
2.トルクシーティングとは?
トルクシーティングとは、バルブの閉止時に「設定したトルク(力)」が働いた時に停止させることを言います。
トルクシーティングの利点は、位置で調整する訳ではないので、弁体と弁座のシート面圧を確実に与えることができることです。
トルクシーティングの調整は、トルクスイッチにより駆動部を制御し、設定された締め付けトルクで閉弁させることで行います。しかし、ポジションシーティングと違いトルクスイッチの役割がバルブの「閉止位置」となるので位置設定は難しくなります。尚、基本的にはリミットスイッチとトルクスイッチの調整位置は同じとなります。
トルクシーティングの適用弁:玉形弁、ニードル弁、小口径の仕切弁、低差圧の仕切弁など
3.ポジションシーティングとトルクシーティングの違い
ポジションシーティングとトルクシーティングでは、バルブ閉止時の停止の検知方法が違います。
・トルクシーティング:「設定したトルク(力)」、トルクスイッチで調整
また次のように結線もこの2つでは異なります。
(図は参考結線です)
ポジションシーティングの場合は、リミットスイッチとトルクスイッチが別々の並びになります。
その為、標準的には接点数が多くなります。
トルクシーティングの場合は、リミットスイッチとトルクスイッチが直列となります。
その為、標準的には接点数が少なくなります。
トルクシーティングのバルブで開閉ランプを効かせたい(リミットスイッチを働かせたい)という場合は、トルクスイッチとリミットスイッチの絶妙な調整が必要となります。その為、リミットスイッチ調整が必要な場合は、メーカーか知識のある業者に依頼するのがベストです。
以上の様に、そもそも結線自体も違うので注意が必要です。
バルブの手配時には、現場のシーケンスや納入したいバルブの結線図をしっかりと確認するようにしましょう。
※確認ができていないと設置してから「結線ができない・・・」「正常に作動しない・・・」なんてことも意外と多いです。
バルブといっても仕様や種類は様々・・・そんなバルブについての相談先は重要!
配管資材におけるバルブは、種類やメーカーも多く、その中から選定するのはかなりの知識と判断力を要します。またお客様の「このような物がほしい」といったご希望を叶えるためには、バルブの知識だけに限らず、現場の経験値や現場の知識が不可欠です。
そこで株式会社近江クリエイトは、様々なバルブ技術者様のネットワークの構築や100以上の現場に赴き「実際に見て考えること」に注力してきました。これら培った豊富な知識と現場経験を元に、仕様・状況に合わせた最適なバルブを提案、選定致します。
4.まとめ
今回は、バルブのポジションシーティングとトルクシーティングについて解説しました。
最後に今回の内容についておさらいです。
⇒リミットスイッチで調整する。②トルクシーティングとは、バルブの閉止時に「設定したトルク(力)」が働いた時に停止させること
⇒トルクスイッチで調整する。③ポジションシーティングとトルクシーティングでは結線方法が違う。
※現場のシーケンスや納入したいバルブの結線図を要チェック。
以上が今回のまとめとなります。
このシーティング方法の違いは、実際に結線する時に非常に重要です。
特にバタフライ弁や仕切弁→グローブ弁やニードル弁、もしくはグローブ弁やニードル弁→グローブ弁に交換する場合は、既設の結線自体を変えないといけないので注意が必要です。
電動弁を理解する上でこのシーティングの違いはとても重要な事なので、今回の記事を参考に是非覚えてください。
過去にも電動式バルブについて解説した記事もあります。
是非、参考にご覧ください。
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