【フランジ】バルブのフランジについて詳しく解説します!現場で役立つ裏技あり!!

こんにちは。近江クリエイトです。

バルブを理解する上で、接続フランジについて知ることは欠かせません。

しかし、フランジと言っても「JIS10K、ANSI150lb、JPI・・・」と数多く存在しますし、バルブ特有のフランジの考え方というのもありますので中々全て理解するのは難しいものです。

ということで、今回はバルブのフランジについての基本知っておくと得する考え方を解説していきます。

この記事を見れば、バルブのフランジについて分かる様にまとめていますので、是非最後まで見て参考にしてみてください。

目次

  1. バルブフランジの種類
  2. 【重要】バルブのフランジはP.C.D、穴径・穴数で見る
  3. 現場で何のフランジが分からない時の対処法。 
  4. まとめ

 

1.バルブフランジの主な種類

代表的なフランジの種類をまとめました。

①JIS

(1)JIS2K    主にガス用
(2)JIS5K    5K以下の低圧用
(3)JIS7.5K   主に水道用
(4)JIS10K    10K以下の一般クラス用
(5)JIS16K   消防認定用など
(6)JIS20K   高温高圧用
(7)JIS30K   高温高圧用
(8)JIS40K   高温高圧用

 

最も汎用的なのはJIS10Kフランジです。5K以下になるとJIS5Kが使用されることも多いです。
またそれ以上の高温高圧になるとJIS20Kが多くなります。

バルブとして特徴的なのはFCのバルブには10K以下しかなく、20KクラスになるとFCDとなります。また30K以上となると鋳鋼や鍛鋼、ステンレスとなります。

②ANSI(米国国家規格協会)/ASME(米国機械工学会 アメリカ機械学会)

(1)クラス150lb
(2)クラス300lb
(3)クラス600lb

 

ANSIとASMEはそれぞれ協会が異なりますが、内容は同じとなります。

また同じような規格でJPIというのもありますが、概ねフランジ寸法も同じです。大きな違いはセレーションがあるか無いかです。
ASME:セレーション有、JPI:セレーション無しです。
詳しくはこちらでも解説されているので参考にしてください。

FF、RFとは?

フランジにおいて「FF」と「RF」があります。

FFとRFの違いは、以下のようになります。

  • FFは、フランジの接合面を全面に平らに仕上げたものです。主に10K以下の低圧で使用されます。全面をシールするため、RFよりもシール面にかかる面圧が小さくなります。内部流体が危険性のない水や空気などの場合によく利用されます。
  • RFは、ボルトの内側に平らな座面を設けたものです。FFと比べるとボルトナットで締め付けた際に、より面圧がかかるので内部流体が漏れにくくなります。よって内部流体が危険物や高温流体の場合によく利用されます。

2.【重要】バルブのフランジはP.C.D、穴径・穴数で見る

フランジにも外径(D)、内径(d)、厚み(t)・・・など様々な寸法がありますが、基本的にバルブの場合は「P.C.D、穴径・穴数」で見ることとなります。
P.C.Dとは?

なぜならバルブの多くは「鋳物」で製作している為、P.C.D、穴径・穴数を変えることで様々なフランジ規格に対応することがあるからです。

例えば、加工をしていないJIS10K規格の鋳物を使用してJIS5KのP.C.D、穴径・穴数に加工することで「JIS5Kフランジ」としたりすることがあります。
フランジ規格上、圧力クラスの大きい方が寸法が大きくなるので、鋳物型としては規格の大きい方で作ることが多くなります。

このように製作上、D寸法やt寸法は規格と異なることもあるので「P.C.D、穴径・穴数」で見ることとなるのです。
相手側フランジとD寸法やt寸法が合わないというケースも起こりますが、製作上仕方のないことなんです。

【ワンポイントプラス】
よく図面に「フランジ厚みはメーカー標準による」などフランジに関してコメントが入ったりしますが、それは型の関係によることが多いです。

 

3.現場で何のフランジが分からない時の対処法

日々現場でバルブを見ているとこのフランジの規格が分からないということがあります。
そのバルブの図面があればいいですが、図面もない、取り外すこともできないという場合に非常に困ってしまいます。

そんな時の対処法について紹介します。

①穴数・ボルト径を調べる

フランジ規格の中で特徴的なのは穴数とボルト径です。
圧力クラスの大きいフランジ程、穴数は多くなり、ボルト径も大きくなります。

資料がない状態では、まず穴数とボルト径を確認するのがおススメです。

②ピッチ

上の図のように隣り合うフランジ穴の直線の寸法Xを測ります。
⇒この時、六角ボルトを図る直線に平行にすると測りやすいです。

Xが分かるとその半分bが分かります。

次に円の360°を穴数÷2をするとθが求められます。

これを三角関数の式「sinθ=b/c」に当てはめるとcの値が求められます。

最後にcを2倍にすると直径すなわちピッチが分かります。

ピッチの求め方
(1)X÷2=b
(2)360°÷穴数÷2=θ
(3)sinθ=b/c
(4)c×2=ピッチ

 

この2つを調べることで2章でも紹介した「P.C.D、穴径・穴数」が分かるのでフランジの規格を調べることができます。

バルブといっても仕様や種類は様々・・・そんなバルブについての相談先は重要!

配管資材におけるバルブは、種類やメーカーも多く、その中から選定するのはかなりの知識と判断力を要します。またお客様の「このような物がほしい」といったご希望を叶えるためには、バルブの知識だけに限らず、現場の経験値や現場の知識が不可欠です。

そこで株式会社近江クリエイトは、様々なバルブ技術者様のネットワークの構築や100以上の現場に赴き「実際に見て考えること」に注力してきました。これら培った豊富な知識と現場経験を元に、仕様・状況に合わせた最適なバルブを提案、選定致します。

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4.まとめ

今回は、今回はバルブのフランジについて解説しました。
最後に今回の内容についておさらいです。

①バルブのフランジの代表的な物にはJISやANSI/ASMEがある。

②フランジには「FF」と「RF」がある。
FF:フランジの接合面が全面平ら。シール面の面圧が小さく主に低圧用。
RF:ボルトの内側に平らな座面。面圧がかかるので高温高圧流体向き。

③バルブのフランジは「P.C.D、穴径・穴数」で見る。

④現場でフランジが分からない時は「P.C.D、穴径・穴数」を調べる。調べ方の参考有

 

以上が今回のまとめとなります。

フランジは配管にとって基本です。
但し、パイプと違って鋳物で作ることが多い為、バルブ独特の考え方があります。

この記事では、その考え方についても述べました。
是非、バルブのフランジについての参考になればと思います。

 

その他にもバルブの構造に関して記事にしています。
よければそちらも参考にしてみてください。

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