【バルブと流速の関係】速すぎるとダメ?!流速がバルブに及ぼす影響
こんにちは。近江クリエイトです。
結論から言うと流速が速すぎるとバルブは破損します。
なぜなら、流速が速い程バルブにかかる負荷が大きくなるからです。
それがあらゆるバルブの故障に繋がってしまいます。
では、バルブにとってどこからが速い流速なのでしょうか?
ということで、今回はバルブと流速の関係について解説していきます。
この記事を見れば、バルブと流速について分かる様にまとめていますので、是非最後まで見て参考にしてみてください。
目次
- 速すぎるとダメ?流速がバルブに及ぼす影響
- 配管流速の求め方
- 適切な流速管理方法
- まとめ
1.速すぎるとダメ?流速がバルブに及ぼす影響
流速が速すぎると物理的な侵食作用の発生や流体を遮断する弁体への高負荷が掛かってしまい、バルブの破損に繋がってしまうケースがあります。
例えば、
・逆止弁のヒンジピン周りやアームなど摺動部の摩耗
・弁箱本体や弁体の減肉
・シートリングの変形、損傷、摩耗
速い流速は弁体を激しく振動させ、弁体を吊っている個所やヒンジピン周りなどの摺動部の摩耗に繋がったりします。また、速い流れは、それ自体が浸食力を持ち弁箱本体や弁体をすり減らします。
他にもバタフライ弁や逆止弁のゴムシートがめくれ上がったり、変形するなどといったケースもあります。
そもそもバルブは交通道路で言うと信号機の様な物で、配管を通る流体を通したり(青)、止めたり(赤)、調整(矢印信号)したりしています。なので配管でも交通道路と同じように、信号のある所を高速で通過しようとすると、トラブルは起きてしまいます。特にバルブは配管において、弁体があることや構造的に圧力損失が大きくなるので、トラブルが起きやすい場所とも言えます。その為、流速が速いと及ぼす影響も出やすくなってしまいます。
適切な流速の目安
流体の種類や設置場所によっても変わりますが、目安としては次の通りです。
水の場合:1.0 〜 3.0[m/s]
気体の場合:20 〜 30(低圧)、10 〜 15(高圧)[m/s]
2.配管流速の求め方
配管内の流速は、以下の式で求めることができます。
配管流速 [m/s]=流量 [㎥/s]/断面積(口径の面積) [㎡]
3.適切な流速管理方法
バルブを守るために適切な流速の管理方法にはいくつかあります。
②バルブの種類を変える
③対策をする
①口径を大きくする、流量を減らす
口径を大きくすることで、管内の断面積を増やし、同じ流量でも流速を抑えることができます。ただし、配管コストが上がるため、過剰に大きくしすぎないよう注意が必要です。もしくは同じ口径で流速を抑えるには、流量を減らす方法もあります。流量調整用バルブを絞ったり、流量調整用のオリフィスプレートを使用することが効果的です。
②バルブの種類を変える
3重偏心バタフライ弁など速い流速に対して適したバルブもあります。設置条件によっては、その様なバルブを選定するのも効果的です。
③対策をする
流速によってダメージの受けやすい部分を強化するなど対策することもできます。例えば、本体を摩耗しにくくする為、材質の強化やライニングするなどです。他にも逆止弁の摺動部にケーシングを設けたり、仕切弁(ゲート弁)吊り部の固定化など部分的な対策もあります。
②③は流速によるバルブへの影響を緩和させる方法ですが、バルブの寿命を延ばす為に、環境や条件によっては検討するのもいいかもしれません。
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4.まとめ
今回は、バルブと流速の関係について解説しました。
最後に今回の内容についておさらいです。
①流速が速すぎると物理的な侵食作用の発生や流体を遮断する弁体への高負荷が掛かってしまい、バルブの破損に繋がる可能性がある。
②適切な流速の目安は、水の場合:1.0 〜 3.0[m/s]、気体の場合:20 〜 30(低圧)、10 〜 15(高圧)[m/s]
③配管内の流速を求める式は、配管流速 [m/s]=流量 [㎥/s]/断面積(口径の面積) [㎡]
④バルブを守る適切な流速の管理方法として
[1]口径を大きくする、流量を減らす
[2]バルブの種類を変える
[3]対策をする
以上が今回のまとめとなります。
「配管と流速」に関する資料は様々ありますが、意外と「バルブと流速」に関する資料は少ないのが実状です。しかし、配管内においてバルブは流速の影響を受けやすい箇所でもあります。
よって是非、この記事がバルブと流速についての参考になればと思います。
その他にもバルブに関して記事にしています。
よければそちらも参考にしてみてください。
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