【重要】意外と忘れがち?安定して作動させる為に!バルブのサポートの重要性!!
こんにちは。近江クリエイトです。
日頃、問題なく運転しているバルブに突然「ヨークが破損した!」「ステムが曲がった」など、
異常が発生したことはありませんか?
それらの多くに、設置したバルブが「たわんでいる」というケースがあります。
バルブには、たわんだ状態だと正常に動かず、破損に至ってしまうことがあります。
ということで今回はバルブのたわみと破損の関係性とその対処法である「サポート」について解説します。
是非最後まで見て参考にしてみてください。
目次
- バルブのたわみと破損の関係性
- 「サポート」とは?
- 大口径や自動弁は特に注意!!
- まとめ
1.バルブのたわみと破損の関係性
まずバルブがたわんでいる状態とは、バルブの中のある位置を支点にバルブの先端が重力によって下方向に荷重を受けている状態を言います。
このように荷重を受けた状態で赤矢印の方向に作動を行うと、真っすぐ正常に作動せずステムや駆動部を支えているヨークにストレスが掛かってしまい破損に至ってしまいます。
なので、バルブを設置する時は、たわまさないように注意が必要です。
特にこの現象は縦配管(垂直配管)の場合と横配管(水平配管)のバルブを90°横向きに設置する場合に発生します。
縦配管の場合だとバルブは基本的に水平に取り付けられることになるからです。
このように、バルブが地面と水平に取り付けられる場合には、たわみに注意するようにしましょう。
2.サポートとは?
バルブを支える為のサポートには大きく2つあります。
①上から吊り上げる
チェーンブロックやワイヤーロープ、クレーンなどを使う方法です。
この方法は、これらを取り付けるステーや梁が近くに必要になってきます。
近くに最適な物があれば非常に有効な手段と言えます。
②支柱を設ける
支柱を設けて下から支える方法です。
この方法の場合、専用の支柱を用意する必要があります。
バルブの下に支柱を取り付けるスペースの確保ができれば、上から吊り上げるより安全を確保することができます。
たわみの不安がある場合、一度メーカーに相談してみてもいいかもしれません。支柱を取り付ける為のサポート座の設置やサポートの必要性についてもアドバイスをくれる可能性があります。※メーカーによっては推奨している場合もあります。
サポート方法については、現場に合った最適なやり方で構いません。
大事なことはバルブを「水平に保つこと」です。
それを覚えておいてください。
3.大口径や自動弁は特に注意!!
バルブのたわみについては、大口径のバルブや自動弁の場合は特に注意が必要です。
なぜなら、大口径のバルブや自動弁の場合はバルブがたわみやすく破損しやすいからです。
例えば、大口径の場合は「支点」となる位置から「力点」となる操作位置が離れやすくなります。
その為、てこの力が働きバルブがたわみ、ヨークやステムが破損しやすくなります。
自動弁の場合は、駆動部側が大きくなりやすくたわみやすくなります。さらに手動弁より開閉頻度が多くなりやすいので、たわんだ状態で操作を繰り返すとヨークやステムへの負担は大きくなり破損しやすくなります。
よって、大口径のバルブと自動弁の場合は、小口径のバルブや手動タイプに比べてたわみに注意してサポートを入れることを検討すべきとなります。
大口径のバルブでもゲート弁(仕切弁)の場合とバタフライ弁の場合でたわみやすさが違います。
ゲート弁は高さがある為、たわみやすくなりますが、バタフライ弁の場合は高さが低い為、同じ口径の中ではたわみにくいバルブと言えます。このようにバルブの選定の時点でも操作の安全性の高い物を選ぶのもポイントです。
4.まとめ
今回は、今回はバルブのたわみと破損の関係性とその対処法である「サポート」について解説しました。
以上のことをまとめると
・たわみはバルブが水平に取り付けられる場合に発生する。
①縦配管(垂直配管)場合
②横配管(水平配管)のバルブを90°横向きに設置する場合
・バルブの「サポート」には2種類ある
①上から吊り上げる
②支柱を設ける
・大口径のゲートバルブと自動弁は特にたわみに注意!
以上が、たわみについての注意する点とその対処法です。
大した内容では無いように見えて意外とバルブの破損に至りやすい原因の一つです。
そして、意外と対策を忘れてしまう部分でもあります。
バルブを安全に長く使用する為には、適切なバルブの保護も大切です。
バルブのサポートに関しては是非今回の内容を参考にしてみてください。
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