【製品の価格】結論・・・「良い物は高い」んです!工業製品の価格の決め方とは?
こんにちは。近江クリエイトです。
あなたは「製品をもっと安く仕入れたい!」と思ったことはないでしょうか?
・・・と言うとほとんどの人が一度はあると思います。
では、製造業においてその製品の「価格」はどのように決められているのか、知っていますか?
ということで今回は、製品の価格の決め方について解説していきます。
それを知ることで製品の正確な価値が分かるようになります。
目次
- 製造原価とは?
- 利益とは?
- 「良い物が高くなる」理由
- まとめ
1.製造原価とは?
製品を作るには、大きく材料費、製作費、管理費から構成されます。
これを製造原価と言います。
①材料費
鋳鉄、ステンレス鋼材、PTFE等加工する前の素材の価格のこと
②製作費
素材を機械加工したり、溶接したりする加工費、そして加工した部品を組み立てていく組立費、組み立てた製品を検査する検査費、最後に塗装をしたり、メッキしたり、研磨したりする仕上費等の製作に関わる費用のこと
③管理費
製作に関わる備品や道具の費用、製品設計に係る費用、製品を保証する為の書類の発行や資料の管理、出荷する為の梱包や送料等の製作費以外に係る費用のこと。
これらを全て足したものが製品に係る製造原価となります。
それでもまだイメージがしにくいかも知れません。
そこで分かりやすくする為に、家でカレーを作るイメージをしてください。
→これが①材料費ですね。
そしてニンジン、玉ねぎ、じゃがいもを切って鍋に入れて、カレールーも入れて煮込みます。
ご飯も炊いて、炊いたご飯の上にカレーをかけて完成です。
→これが②製作費ですね。
このカレーを作るのに鍋やお皿、まな板、包丁を用意しました。
しかも実はこのカレーを作るのに新しいレシピを考えたり、また同じ味を作れるようにレシピを保管することにしました。
→これらカレーを準備するために係った手間やお金は③管理費ですね。
このように実は「料理」も工業製品と同じようなことをやっているんです。
なので「製造原価」と言っても、普段の生活に当てはめてみると意外と難しくありません。
・・・と説明したところで、あなたの家のカレーは、何かこだわりがありますか?
・食材にはこだわって良い物を使用している。
・家計を圧迫しないように食材の安さを意識している。
・手間暇かけてじっくり食材を煮込んでいる。
・カレールーは独自のブレンドをしている。
などなど・・・
実は、これも製造原価の考え方に当てはまります。
やはり、食材にこだわって良い物を使った分、材料費は上がりますよね?
手間暇かけて煮込んだ分、製作時間(時間コスト)はかかっていますよね?
そういった観点からも「良い物」というのは、製造原価が高いのがお分かりいただけたと思います。
2.利益とは?
利益は、始めの表の様に製造原価に乗っかる形で算出します。
例えば、製造原価¥10,000の物に¥5,000の利益を足して¥15,000として販売するみたいな形です。
では、この利益額はどのようにして決めているのでしょうか?
答えは・・・決まっていません。
これはなぜかというと、市場価値によって左右されるからです。
例えば、この日本では、どこででも容易に「水」を入手することが可能です。
なので、市場価値としては低く、比較的安価で入手することができます。
しかし、砂漠の真ん中ではどうでしょうか?
そう簡単に入手することができない為、同じ「水」でもその価値は高くなります。
このように、その物自体の価値によって利益を算出し製品の価格を決定しているのです。
実はもう一つ。
例えば、独自ブレンドの唯一無二のカレーを作ったとします。
これを販売するとして始めから安売りしたいと思う人はいるでしょうか?
答えはほとんどいません。
それはなぜか・・・その「技術」を高く評価してほしいからです。
この考え方は、工業製品においても同じことが言えます。
それぞれ、加工能力や設計能力、保証サービス等、他より優れた「技術力」ほど高く評価してほしいと思うのも当然です。
なので、上の表の様に良い物ほどこの「技術費」も大きくなり、それに伴って製品の価格も高くなります。
3.「良い物が高くなる」理由
一般的に「良い物」とは、品質が良く、使い勝手が良い物を言います。
それら良い物は、適切な管理の元、材料が選定され、設計され、製作されています。
その為、それぞれ製造原価も高くなり、技術費も加わるので、製品価格は高くなるということです。
逆を言えば、安い物というのは、適切な材料が使われていない、品質的に不安がある等、製造そのものに不安がある可能性があります。
これらのことからそもそも製品の価格とは、その製品の価値なのです。
「安い物が悪い」とは言いませんが、良い物というのは価格も価値も高いんです。
もちろん日々製造者は、より材料を安く仕入れたり、設計の見直しをする等して、製造原価を下げるように努力しています。
しかし、それが直接製品の価格を下げることには繋がりません。あくまで利益向上の為のものです。
4.まとめ
今回は、今回は製品の価格の決め方について解説しました。
最後に今回の内容についておさらいです。
①製造原価とは、材料費、製作費、管理費から構成される
②利益とはその物自体の価値や技術力によって算出している
③製品の価格は【「製造原価」+「利益」】で決められる
④製品の価格とは、その製品の価値
以上が今回のまとめとなります。
「安く」仕入れたいという気持ちは、誰しもが持つことです。
しかし、だからと言ってやみくもに「安く」というのは、非常にリスクがあります。
・安くしたいが為に本来欲しかった仕様が手に入らなかった。
・粗悪品をつかまされた。
そんなことがあっては本末転倒です。
是非、製品価格の考え方を知り、製品の正確な価値を知っていただきたいと思います。
ちなみに私共、近江クリエイトは、名前でも分かる通り近江商人発祥の地で滋賀県で事業をしています。
その近江商人の心得に「三方よし」というのがあります。
これは、「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」というもので、サプライヤーにとってもユーザーにとっても互いに良い商売は、世の中にとっても利益をもたらすことに繋がるという考え方です。
近江クリエイトは「三方よし」の精神でお客様に合った「いちばん」のプランでサービスを提供致します。
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