【基本】バルブの操作方法を学ぶ。低コストで最も制御に向いた自動弁?!【エアーシリンダー式】

こんにちは。近江クリエイトです。

 

バルブの操作の仕方も種類が様々・・・

「どんな種類があるのか知りたい」
「それぞれの特徴を知りたい」

このような疑問にお答えします。

 

さて今回は、自動弁である【エアーシリンダー式】について解説します。

前回は同じ自動弁として電動式について解説しました。
【基本】バルブの操作方法を学ぶ。自動弁!選定に必要な条件とは?【電動式】

エアーシリンダー式も同じ自動弁ですが、個人的には低コストで最も制御に向いた自動弁だと思います。

ということでこの記事では、エアーシリンダー式バルブの基本と低コストで最も制御に向いた自動弁である理由を解説していきます。
またバルブの操作機として注意事項や実務で役立つ情報も記述していますので是非参考にしてみてください。

目次

  1. エアーシリンダー式とは?
  2. 低コストで最も制御に向いている理由とは?
  3. 主要制御機器の一覧
  4. まとめ

 

1.エアーシリンダー式とは?

エアーシリンダー式とは空気の力でシリンダー内部のピストンを動かすことで、回転させたり直動させる操作力に変換する操作タイプのことです。構造としては、「エアーシリンダー→ステム」と力が伝わっていくことになります。
構造の特徴としては、電動式や他の手動タイプと違ってスリーブ無しで操作させるので空気の力がそのままバルブの動作に繋がります

では、エアシリンダー式タイプの特徴について紹介していきます。

【エアシリンダー式の特徴】
①動力はエアー(空気)の力
②制御するのは、主に電気の力
③開閉時間が速い
④操作力の大きなバルブには不向き

 

①動力はエアー(空気)の力

名前の通り、エアー(空気)の力で動きます。
なので、まず設備としてエアーコンプレッサーが必要となってきます。

エアシリンダー式は空気の力がそのままバルブの動作に繋がるので、安定した動作を行う為には、十分なエアー圧力の確保も不可欠です。→0.4~0.7MPaが望ましい。

②制御するのは、主に電気の力

バルブを開閉させるのはエアーですが、開閉状態を知らせるリミットスイッチやバルブの開閉を切り替える電磁弁など、制御に関しては主に電気を使用します。

エアー源の確保以外にも電源の確保も必要です。

③開閉時間が速い

エアシリンダー式バルブは電動式バルブと比べると開閉時間が速くなります。

メーカーによって開閉時間の設定値は違いますが、参考としては100Aのゲートバルブだと「電動 約30秒:エアシリンダー 約4秒」、バタフライバルブだと「電動 約20秒:エアシリンダー 約2秒」となります。

この開閉時間は、スピードコントローラー(スピコン)を使えば、調整する事も可能です。

④操作力の大きなバルブには不向き

エアシリンダー式の場合、操作力はシリンダーの径によって決まってきます。

それはシリンダー内部の空気の断面積の大きさが操作力に繋がるからです。

なので操作に必要な力が大きいバルブの場合、シリンダーの径は大きくなり、逆に小さいバルブの場合は、シリンダーの径が小さくなります。

よって、あまりにシリンダーの径が大きなタイプは、メーカーにもラインナップが少なく、操作力を必要とするバルブには不向きとなります。

【ワンポイントプラス】
操作力を必要とするバルブとは、仕切弁や玉形弁、大口径のボール弁やバタフライ弁などが該当します。
これらだと電動式タイプの方が安価になる場合があるので、選定を再検討してみるのもいいでしょう。

 

以上が「エアシリンダー式」の大きな特徴となります。

2.低コストで最も制御に向いている理由とは?

ここからは、エアシリンダー式が低コストで最も制御に向いている理由を解説します。

①低コスト

同じ自動弁として電動式タイプがありますが、電動機とエアシリンダーでは約3~5倍の価格差があります。

また電動式の場合は、電動機を1つのバルブに1機搭載する形になりますが、エアシリンダー式の場合、マニフォールドタイプの電磁弁を使用すれば、1つの電磁弁で複数制御が可能となり、制御機器分のコストも抑えることができます。

②動力がそのまま操作に繋がる

エアシリンダー式の場合、構造が「エアーシリンダー→ステム」とスリーブ無しで操作させるので、空気の力がそのままバルブの動作に繋がります。

言い換えると、「動力がバルブ操作に直結する」ので、その分制御もしやすくなります。

他の操作方法だとスリーブやギアを介して操作させるので開閉時間も遅くなったり、スリーブやギアの不調によってうまく操作が連動しなかったりもします。

その点、エアシリンダー式は他の部品を介さないので制御に優れていると言えます。

③制御機器を追加することで様々な制御が可能となる

エアシリンダー式は、制御機器を追加することで様々な制御が可能となります。

なぜなら、エアシリンダー式バルブの制御はあらゆる制御機器を組み合わせて行うからです。
電動式だと電動機内部や制御盤側の回路を配線し直したりと大掛かりになる場合がありますが、エアシリンダー式タイプだと制御機器を追加するだけで可能な場合も多いです。

よって制御機器を追加したり、組み合わせることで比較的小規模で様々な制御ができると言えます(低コストにも繋がる)

 

以上3つのことから低コストで最も制御に向いていると言えます。

3.主要制御機器の一覧

ここからは、様々な制御を可能とする主要な制御機器について紹介します。

①FRユニット(フィルター・レギュレーター)

コンプレッサからの圧縮空気に対し、ゴミや水分を除去し清浄な空気にするフィルター(F)と適切な圧力に調整し供給圧を安定させるレギュレーター(R)がセットになった物です。

②電磁弁(ソレノイドバルブ)

電磁石(ソレノイド)への電流をON-OFFする事で流体の流れを止める、流す、方向を変える、といった操作を行えるようにする機器です。
電磁弁にはポート数、ポジション数があり、それによって空気の流れを変えたり、バルブの動作を変えたりすることができます。

③スピコン(速度制御弁)

SMC WEBカタログ参照

アクチュエータの動作する速度をコントロールするための弁(ニードル弁)です。
入口で流れを絞る場合はメータイン、出口で絞る場合はメータアウトと呼び、バルブの開側、閉側それぞれで速度をコントロールすることができます。

 

4.まとめ

今回は、エアシリンダー式バルブの基本と低コストで制御に向いている理由について解説しました。

その特徴についておさらいです。

【エアシリンダー式の特徴】
①動力はエアー(空気)の力
②制御するのは、主に電気の力
③開閉時間が速い
④操作力の大きなバルブには不向き
⑤低コスト
⑥制御機器を追加したり、組み合わせることで比較的小規模で様々な制御ができる

以上6つがエアシリンダー式の大きな特徴です。
自動弁を選定する際には、個人的には一番オススメしているので是非、参考にしてみてください。

 

最後に・・・

こちら近江クリエイトでは、エアシリンダーを使ったバルブや機械など「空気圧制御」を得意としています。

「空気圧を使って制御したい」という方、その設計や製作をお任せください。
確かな技術で問題解決に貢献します。

是非、お困りごとがある際には近江クリエイトにお問い合わせください。

 

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