【基本】バルブの種類を学ぶ。どの流体に対しても最強のバルブです。【バタフライ弁編】

「バルブ」と言っても色々な種類があって用途も様々・・・
「どんな種類があるのか知りたい」
「それぞれの特徴を知りたい」
このような疑問にお答えします。

 

こんにちは。近江クリエイトです。

僕はこれまで10年間で100現場以上を経験してきました。
そんな僕が実務で使えるバルブの知識を分かりやすく紹介します。

今回はどの流体に対しても最強のバルブ!!【バタフライ弁】について解説します。

いよいよこのバルブについてお話しする時がやってきました。

目次

  1. バタフライ弁とは?
  2. バタフライ弁の長所と短所
  3. 偏心形バタフライ弁とは?
  4. 主な使用例
  5. まとめ

 

1.バタフライ弁とは?

バタフライ弁とは、口径の中心にあるステムに固定された弁体が90°開閉する事でバルブの開閉を行います。
シートもメタルシート、テフロンシート、ゴムシートなど用途に合わせて用意できることも特徴的です。

バルブのシートについてはこちらをご覧ください。

またバタフライ弁は「蝶形弁」とも呼ばれます。
蝶=バタフライですね。

 

2.バタフライ弁の長所と短所

では簡単にこのバルブの主な長所・短所をまとめてみました。

◆長所
・面間もコンパクトで、重量が軽い。
・口径も小口径から大口径までラインナップも豊富。→(大口径も比較的軽量)
・操作力も軽く。開閉が楽。
・製作仕様のラインナップが豊富なのであらゆる流体にも対応可能。

・流量調整にも使用が可能

 

◆短所
・中心に弁体が残るので流体が流れにくい。(圧力損失が大きい)

 

以上をまとめると、あらゆる場面であらゆる使用方法もできる非常に優秀なバルブだと言えます。

まず何より軽い。
バルブ本体の重量も短面間で軽い為、運搬や設置、交換もしやすいというメリットがあります。また重量が軽い分、比較的安価にもなります。
さらに操作するのもレバーやギアなどを使って、回転の力をそのまま弁体を回転させる力に変えるので、操作力も軽くなります。

またバルブ自体が比較的簡単な構造なので、小口径から大口径までラインナップが豊富になります。
しかも大口径でも他のバルブに比べると軽くなります。

さらに材質や構造のバリエーションも豊富であらゆる流体にも使用可能です。

さらにさらに、仕切弁と違ってON-OFFだけでなく、玉形弁のような流量調整にも使用が可能です。

一方で、弁体が口径の中心に残るので、圧力損失が大きくなるという点はマイナス要素です。

 

と言ってもこのバルブは、短所より明らかに長所の方が多い優秀なバルブです。
仕切弁や玉形弁等に取って代わる事が十分できるバルブです。

【ワンポイントプラス】
日本において仕切弁の製作は120年程の歴史がありますが、バタフライ弁は60年程・・・。実はまだまだ歴史が浅いバルブなんです。

 

3.偏心形バタフライ弁とは?

実はバタフライ弁には中心の軸が偏心したタイプがあります。
ちなみに僕自身は、軸を中心にして回転するバタフライ弁を「中心弁」、軸から偏心して回転するバタフライ弁を「偏心弁」と呼んで区別しています。

偏心には、「一重偏心」「二重偏心」「三重偏心」と3つのパターンがあります。
その中でもバタフライ弁としては二重偏心、三重偏心が製作されています。

この偏心の考え方について詳しくは、巴バルブHP「TRITEC 三重偏心プロセスバルブ」に掲載されていますので参考にしてください。https://www.tomoevalve.com/product/valve01/00001.html

個人的にはあまり偏心のメカニズムが分かっても、それがどういった利点があるのか分かりづらいと思うので、違いを簡単に以下にまとめてみました。

①操作力
中心形バタフライ弁(以下中心弁)<偏心形バタフライ弁(以下偏心弁)
②高圧対応
中心弁 10K<偏心弁 最大1500lb
③対摩耗~バルブの延命化
中心弁<偏心弁

 

大きくこの3つに分けられます。
いわゆる中心弁のハイグレード版が偏心弁という事です。

その分、中心弁は格安なのに対して、偏心弁は高価なので特殊流体や特別な状況に対して使用するケースが多いです。

4.主な使用例

水が大半ですが、蒸気、空気、ガス、スラリー、粉体などに使用可能です。

仕様のバリエーションが非常に多いので、あらゆる流体に、そしてあらゆる用途で使用が可能です。
もちろん、その用途に合わせてシートを変えたり、サニタリーにしたりします。

上下水道用、プラント配管、食品工場、ポンプ吐出側などなど
あらゆる分野で活躍しています。

バルブといっても仕様や種類は様々・・・そんなバルブについての相談先は重要!

配管資材におけるバルブは、種類やメーカーも多く、その中から選定するのはかなりの知識と判断力を要します。またお客様の「このような物がほしい」といったご希望を叶えるためには、バルブの知識だけに限らず、現場の経験値や現場の知識が不可欠です。

そこで株式会社近江クリエイトは、様々なバルブ技術者様のネットワークの構築や100以上の現場に赴き「実際に見て考えること」に注力してきました。これら培った豊富な知識と現場経験を元に、仕様・状況に合わせた最適なバルブを提案、選定致します。

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5.まとめ

今回は、【バタフライ弁】について解説しました。

最後に今回の内容についておさらいです。

メタルシート、テフロンシート、ゴムシートなどシートラインナップが豊富

②面間もコンパクトで、重量が軽く比較的安価

③口径も小口径から大口径までラインナップも豊富⇒(大口径も比較的軽量)

④操作力も軽く。開閉が楽

製作仕様のラインナップが豊富

流量調整にも使用が可能

⑦中心に弁体が残るので流体が流れにくい(圧力損失が大きい)

⑧ハイグレード版として「偏心弁」がある
操作力、高圧対応、対摩耗~バルブの延命化に長けている。

 

以上が今回のまとめとなります。

個人的には、このバタフライ弁が最強のバルブだと思います。

バリエーションの豊富さ、そして何より軽い!

以前紹介したデュアルプレート式逆止弁も実は、構造的にはほとんど同じで、
その時も非常に優れた逆止弁と紹介しました。

今回のこのバタフライ弁は、さらに流体に制限が少ないことから、ほぼ最強のバルブと言ってもいいかなと思います。

よく比較される仕切弁や玉形弁、そして次回紹介するボール弁等と比べてもほとんど劣る点がありません。唯一、仕切弁と玉形弁に劣るのは、頑丈さと高温に対してくらいです。

やはり、ゴムやテフロンを使ったシールになるのでどうしても温度に対しては、弱点となります。
メタルシートにして高温対策することもできますが、構造上、シート漏れを完全に抑えることはできません。その点ぐらいが大きく差として挙げることができます。

ただ、まだまだ古くから使われ続ける仕切弁、玉形弁・・・
個人的には、このバタフライ弁に入れ替えていってもいいのでは?と感じます。

 

その他にもバルブの種類に関して記事にしています。
よければそちらも参考にしてみてください。

☟バルブのシートに関する記事

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