【超難問】「水に対してFCのバルブは使えますか?」その答えは・・・
こんにちは。近江クリエイトです。
早速ですが、あなたに問題です。
流体「水」に対してFCのバルブは使えるでしょうか?
実は、その答えにバルブ選定の考え方の基本があるのです。
ということで今回は流体の条件から考えるバルブ選定の基本について解説します。
この記事を読むことで、バルブ選定の際に必要な条件を学ぶことができます。
バルブ選定の知識を大幅に増やすことができる内容となっていますので是非!
目次
- 「水に対してFCのバルブは使えますか?」その答えとは?
- バルブ選定に必要な条件とは?
- 使えるかどうかやってみないと分からない・・・
- まとめ
1.「水に対してFCのバルブは使えますか?」その答えとは?
冒頭の「流体『水』に対してFCのバルブは使えるでしょうか?」について
結論から言うと答えは・・・
分かりません!
「いや、FCのバルブは使えるでしょ!」
と思った方も多いと思います。
では、最初の質問に1つ付け加えてみます。
「ポンプ吐出圧が2MPaの流体『水』に対してFCのバルブは使えるでしょうか?」
これだと使える!とはっきり言えるでしょうか?
FCの場合、JIS規格におけるバルブとしての最高圧力が1.4MPaなので完全に条件に合っていません。
このように流体の細かな条件によっても、バルブの選定というのは変わってくるので、
「『水』だからFCは使える」という単純な物ではないのです。
2.バルブ選定に必要な条件とは?
1章でバルブの選定は単純ではないということを説明しました。
では、そもそも選定していくのに必要な条件とは何か?
それについて解説します。
①流体
まずこれが分からないと選定のしようがありません。
これは、はっきりさせましょう。
「流体『水』に対して管内に溜まるほどの砂が混じる」とか「流体『海水』だがフジツボがよく付着する」など、分かっている情報は細かいことも明確にするようにしましょう。
メーカーによっては良いアイデアがあるかもしれません。
②圧力
バルブ選定において必要な情報です。
特に設計上の最高圧力なのか、運転圧力(常時圧力)なのかはっきりさせましょう。
自動バルブの場合、圧力によって選定する駆動部が変わります。
なので選定には必須項目と言えます。
③温度
温度によって、使用できるパッキン類の選定が変わったりもしますので必要な項目です。
またJISやASMEなどで温度と圧力には相関する基準が設けられています。
例えば、JIS規格においてSCPH2の材質は、「120℃以下では最高使用圧力3.4MPa、425℃の場合は、最高使用圧力2MPa」と基準を設けられています。
おおまかに言うと「温度が高いほど使用可能な圧力は低くなる」ということです。
温度によって使用可能な圧力にも影響しますので必要な項目と言えます。
ちなみに「温度と圧力」にこちらでも詳しく解説されているので参考ください。「使用圧力範囲について-KITZ」
以上3点がバルブ選定においての必須項目です。
必ず明確にしておきましょう。
3.使えるかどうかやってみないと分からない・・・
1章ではバルブ選定は単純ではない。
2章ではその選定に必要な最低条件を解説しました。
では、これで万事問題ないかというと実はそうではありません。
事細かに選定条件を並べてみても「実際に使えるかどうか」というのはやってみないと分からないんです。
なぜなら、バルブ選定というのはあくまで理論からの推測でしかないからです。
例えば、「海水に対してSCS14Aは腐食を起こしにくい」というのも材質特性の理論値でしかありません。
滞留する環境か清流環境かによってもその進行度は変わってきます。
また他にも大雨の影響で一時的に流量が増した、予期せぬ異物が流れたなど、想定していないこともありますが、理論から外れたことに対して問題ないかどうかは断定することができません。
このように「理論」と「実用」とが異なるケースは非常に多くありますので、最終的には実際にやってみて良いか悪いか判断する必要があるということです。
しかし、全て「実際使ってみてダメでした・・・」ではよくありません。
そこで大事な点が2つあります。
①実経験を重視する。
(1)実際に使っているあなたの現場の状況を最優先に考えてください。
実際に使っていて問題ないのか、どういった問題が起こることがあるか等、現場は最有力の「実験場」なので、そこでの経験を一番重視してください。
(2)メーカーの実績や実験結果も重視してみてください。
他現場での実績は十分評価することになりますし、会社によっては、あらゆる場面を想定した「実験」をされています。
なので、あなたの実現場に次ぐメーカーの経験を重視してもいいかもしれません。
②万が一、問題が発生した場合のリカバリー
実際に使ってみてダメでした・・・終わりとはなりません。
その後の復旧や対策も考えなくてはなりません。
その時に対策を打てるメーカーがいると心強いです。
そのようなメーカーの物を選ぶというのも重要です。
4.まとめ
今回は流体の条件から考えるバルブ選定の基本について解説しました。
以上のことをまとめると
・流体の細かな条件によっても、バルブの選定というのは変わる
・最低限必要な条件は、①流体②圧力③温度
・それでも実際に使えるかどうかやってみないと判断はつかない。
・「実際使ってみてダメでした・・・」を避けるために
①実経験を重視する。
②万が一、問題が発生した場合のリカバリーにも注意。
つまりバルブの選定というのは、どれだけ実用性のある物を選ぶかということなんです。
そしてその「実用性」を優先とすると重要となってくるのは、「経験値」です。
なぜなら、経験値が少ないと「理論」に偏ってしまうからです。
例えば、こういうことはありませんか?
実際に起こっていることに対し現場状況を確認せずに「理論」を並べるケース・・・
これも経験値が乏しい為に実用的なアイデアや問題解決ができず「理論」に走ってしまう状況なのです。
よってバルブ選定は経験値を大事にしてください。
最後に!
当方は、豊富な現場経験からあなたに合った最適なバルブを提案致します。
「こんな困りごとがある」と言う際は、是非お問い合わせください。