【なぜ?】他社のバルブの改造はしません!!その理由を解説します。
こんにちは。近江クリエイトです。
あなたは「このバルブをこのように(改造)してほしい」と言うとメーカーから「これはA社のバルブなのでうちではできません」と言われた経験はないでしょうか?
同じバルブなのに?と思うことも少なくないと思います。
ただ、その理由は意外にも知られていないと思います。
そこで10年間バルブメーカーに従事した僕が、メーカー目線でその理由を解説します。
この記事を見ることでバルブの改造に関する理解を深めることができます。そして「本当に困った」時の対処法についてもお伝えします。
是非最後まで見て参考にしてみてください。
目次
- 他社のバルブを改造しない!その理由とは?
- バルブの改造とはどんな改造?
- 「困った!」そんな時は・・・
- まとめ
1.他社のバルブを改造しない!その理由とは?
バルブメーカーが他社のバルブを改造しない理由とは、「その製品を保証できないから」です。
これには複数の要因が考えられます。
例えば・・・
①改造してその製品を破損させてしまった場合
元々、自社製品ではないので、万が一破損させてしまった場合に責任が取れなくなってしまいます。
その万が一を考えると「触らぬ神に祟りなし」というのが基本的な考え方となるのです。
②製品の形は、他社には理解できない
製品というのは、その形に至るまでのプロセスがあります。
なぜその形にしているのか、その形にした経緯というのは、そのメーカーの設計思想や経験によるもので、そのメーカーの人間にしか真意は分かりません。
なので、それを理解できていない他社の者が安易に触れないというのが実状です。
③自社ブランドを大切にしている
メーカーの基本は、自社ブランド製品をいかに世に広めるかが重要な目的です。
その為、他社製品に関わることは、その目的からは外れてしまいます。
よって、自社ブランドの尊厳の為にも他社の製品に関わらないのがメーカーのスタンスとなるのです。
以上のことから、万が一破損させてしまっても責任のとれない、形も理解に欠けるというリスクより自社製品を販売することに重きを置いていることが他社のバルブを改造しない理由となります。
2.バルブの改造とはどんな改造?
1章で述べたことからバルブの改造は基本的に既設メーカーに依頼することになります。
ちなみにバルブの改造といっても様々なケースがあるのでおさらいしておきます。
・自動弁の下部本体のみor駆動部のみを取り替えたい 【自動弁の部分交換】
・ロングネックにする、軸を延長させる 【構造の変更】
・リミットスイッチをつける、カバーをつける 【オプションの追加】
・パッキン、ガスケット、シートリングの交換 【部品交換】
これらの改造は、製品保証の観点から既設メーカーに相談することになります。
最後に挙げている【部品交換】もそのメーカーの設計思想が色濃く出るところなので既設メーカーに依頼する必要があります。
3.「困った!」そんな時は・・・
1.2章では、バルブの改造は既設メーカーに依頼することと述べましたが、中には、うまく行かないケースもあります。
例えば、
・既設メーカーが廃業している
・既設メーカーが対応ができない(思っている対応をしてくれない)
事実、このようなケースも多々あります。
しかし、そんな「困った!」という時にも解決できる手があります。
それは、バルブのメンテナンスを専門としている所にお願いすることです。
メンテナンスを専門としているだけあって、あらゆる種類のバルブや構造に対して知識や経験が豊富にあります。
その対応力で器用にバルブの改造や費用面でも相談に乗ってくれる所が多いです。
但し、注意も必要です。
1つ目は、保証の観点です。
故意に過失を起こすことは考えにくいですが、思わぬ損傷などは十分考えられます。
なので、綿密な打ち合わせや相互の同意は不可欠となります。
2つ目は、機械的専門でないケースもあるということです。
メンテナンス専門は経験から得る豊富な知識を持っている人は多いですが、機械設計などの理論的な知見には乏しい場合もあります。機械設計者がいると改造に当たって新たなアイデアや提案をしてくれることもありますが、その点は少し難しいかもしれません。
ちなみに・・・
こちら近江クリエイトでは、各種バルブの改造の相談も受け付けております。
機械設計専門とメンテナンス専門も兼ね備えた確かな技術で対応致します。
是非、お困りごとがある際には近江クリエイトにお問い合わせください。
4.まとめ
今回は、他社のバルブを改造しないその理由と「本当に困った」時の対処法について解説しました。
最後に今回の内容についておさらいです。
「その製品の保証ができないから(責任が持てない)」
①改造して万が一その製品を破損させてしまった場合
②その製品の形は、他社には理解できない
③自社ブランドを大切にしているそれでも「困った!」そんな時は・・・
・バルブのメンテナンス専門に相談する。
以上が今回のまとめとなります。
バルブの改造のことで困ったという場合は、是非参考にしてみてください。