【保存版】バルブの材質を学ぶ。~基本8種の総まとめ~これで基本は必ず身につく!!

こんにちは。近江クリエイトです。

 

今回は、これまで紹介してきた8種類の材質の総まとめです。

日常で「この材質にはどのような特徴があったかな?」「この材質とこの材質の違いはなんだっけ?」と思った際には、是非こちらを参考にしていただけると幸いです。

分かりやすく見ていただけるように、それぞれ材質の特徴を表にまとめてみました。
各項目に分けて早見表にしていますので日々の業務でも活用ください。

目次

  1. 金属材料-規格対照
  2. 材料特性の比較
  3. 流体の対応可否
  4. まとめ

 

1.金属材料 — 規格対照

まず始めに、バルブ本体で使用される材質に対して「JIS規格」と「ASTM規格」、そして同等の板、棒材を一覧にしてみました。

特に最近では、製造元が海外ということも多く、そこで製造をすると材質はASTM材になることもよくあります。
なのでJIS-ASTM材質の対比は重要になってきます。

【ワンポイントプラス】
表のJIS-ASTM材は、厳密には機械的性質が異なりますが、バルブで使用する材質としては「同じ」と捉えて問題ありません。

 

また「同等の板、棒材」についても挙げた6種類はバルブの部品として非常によく使用します。
合わせて覚えておきましょう。

2.材料特性の比較

続いて、それぞれの特性についてまとめてみました。

特性についてポイントをまとめますと

①鋳鉄、ダクタイル鋳鉄は価格や加工のしやすさに長けるが、強度、耐温度は鋳鋼、鍛鋼、ステンレス鋼に劣る。
②青銅、黄銅は加工のしやすさに長けるが、強度、耐温度に劣る。
③鋳鋼、鍛鋼は強度、耐温度に長けるが、価格、加工のしやすさに劣る。
④ステンレス鋼は強度、耐温度に長けるが、価格、加工のしやすさに劣る。
⑤耐食性は青銅、ステンレス鋼が長ける。
⑥小口径・大口径の製作には、対応可否がはっきりと分かれる。ダクタイル、ステンレス鋼はどちらも可。

 

以上が、特性の大きな違いとなります。
但し、使用する流体や環境によっても特性通りにならない場合があるので、そこは注意が必要です。

3.流体の対応可否

最後に流体への対応についてです。
こちらの表は東洋バルヴの「バルブ材料の選定表」を参考にしています。

表からも分かる通り、一般的な水、空気、蒸気はどの材質も適していることが分かります。
但し、同じ水でも海水になるとその適正の差は大きく出ます。

また硫酸や水酸化ナトリウム、石油等の薬品や化学物質ともなると鉄や炭素鋼では適性が悪く、ステンレス鋼が必要となります。

ここで挙げた7種はあくまで代表例なので、もう少し詳しく知りたい方は東洋バルヴの「バルブ材料の選定表」を参考ください。
豊富な流体の対応表になっていますので分かりやすく、おススメです。
「https://www.toyovalve.co.jp/wp-content/themes/toyovalve_v1/_catalog/_pdf/sankou/san4/01%EF%BC%9A%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%96%E6%9D%90%E6%96%99%E3%81%AE%E9%81%B8%E5%AE%9A%E8%A1%A8.pdf」

※注意!!

同じ流体でも温度や使用条件によっても適性は異なります。

例えば、海水に対しても静流環境と滞留する環境では、腐食の進行が変わったりもします。
清流環境のSCS13Aの方が、滞留環境のSCS14Aより腐食の進行が遅かったなんて事例もあります。

その他にも温度、濃度等の検討する要因もたくさんありますのでその点は要注意です。

【ワンポイントプラス】
流体の条件によってバルブの仕様を見直すのも重要です。例えば、海水に対してステンレスにこだわらなくても、ナイロンでライニングすることで鋳鉄でも使用することが可能となります。流体の適正を考える時は、総合的に検討する必要があります。

 

4.まとめ

以上、バルブで使用する金属材質の8種類についてまとめてみました。
基本的な内容ですので、是非覚えて日々の業務に活用してみてください。

 

その中で個人的な意見ですが、一番優れた材質はステンレス鋼(SCS13A/14A)だと思います。
なぜなら、機械的性質に非常に優れ、あらゆる流体にも適しているので「長寿命で万能」だからです。

よって、こちらの記事でも詳しく解説していますが、個人的には一番オススメしている材料です!

・【基本】バルブの材料を学ぶ。万能!!最強!!ステンレス鋼【SCS13A・SUS304】

・【基本】バルブの材料を学ぶ。最強ステンレス鋼をさらに深堀り!!【SCS14A】

 

最後に、材質選定は、使用条件によっても適性が異なってきますので、意外と判断が難しいのです。
またその条件に合わせて総合的に仕様を検討するのも簡単にはできません。

そこで重要になってくるのは、いかに多くの経験を積んでいるかだと思います。
実際に僕自身がどこで学んできたかというと、お客様の現場」です。

お客様の現場で実際に見たり、聞いたり、そして共に課題を解決していくことで、そこに知識がついてきます。
その知識がまたお客様への新しい提案に繋がったり、新たな課題解決に繋がっていくものと考えます。

こちら近江クリエイトでは、経験から得た知識を基にサービスや情報を提供しています。
是非、お困りごとがある際にはお問い合わせください。

 

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