【合う?合わない?】バルブの面間について!困った時の対処法も併せて詳しく解説します。
こんにちは。近江クリエイトです。
バルブ選定の時、まず始めに見るのは「面間」・・・かもしれません。
そんな中、
「なんだこの面間は?」
「この面間に合う物がない・・・」
というケースにあった事も多いのではないでしょうか?
このようなことがなぜ起こるのか、それはバルブの製作方法を理解すれば分かります。
ということで今回は「この面間は何?」が起こる理由とその対処方法について解説します。
これを見れば、「面間」で悩むことはありません。
目次
- 「この面間は何?」それが起こる理由
- バルブの面間を既設に合わせることはできない?
- オススメ!バルブの面間についての対処方法3点
- まとめ
1.「この面間は何?」それが起こる理由
結論から言うと、バルブは型を使った鋳物で製作することが多いからです。
その為、面間はその「型」によって決まってきます。
例えば、仕切弁 150AのJIS10K規格の場合は、L=270mmとなるので型もそれに合わせた物を用意することになります。他にもバタフライ弁はJISB2002に準拠した形で用意したりします。
では、その中で「この面間は何?」というケースが起こる場合というのはどのような時でしょうか?
それは大きくこの3つの場合です。
- かなり物が古い場合
- 既設のメーカーが面間を合わせて特注で製作していた場合
- メーカーのオリジナル品の場合
1.かなり物が古い場合
一昔前は、現在の様に規格が整備されていなく、規格に準拠した物を製作するということが広く知れ渡っていませんでした。その為、個々に設計した物を製作しており、特に古い物の場合は、特殊面間になることがあります。
2.既設のメーカーが面間を合わせて製作していた場合
既設のメーカーがその時の配管事情に合わせて特殊面間を製作していた場合は、その様なケースになることがあります。
それは先程「型」によって面間は決まると言いましたが、その型を特殊面間にして製作すれば可能だからです。
例えば、既設の仕切弁 150Aの面間がL=290mmだった場合、それに合わせて一から型を作る、もしくは既存のJIS10Kの型に計20mm足せば、L=290mmとなります。
実際このように面間調整することはできるので、特殊面間というのは比較的容易く誕生します。
3.メーカーのオリジナル品の場合
そのメーカーが独自で開発した物の場合は、特殊面間になることが多いです。
なぜなら、そのバルブが規格に沿って設計されていないからです。
もちろんその場合、特殊バルブになることも多いので、「同等品」を探そうにもないというケースも少なくありません。
以上の事から、「型」を一度作ると、そこから大量生産していくので特殊面間が出回ることになるのです。
2.バルブの面間を既設に合わせることはできない?
バルブの面間を既設に合わせること自体は、「型」を新たに作るか、調整すれば製作は可能です。但し、その型を作るのにも調整するのにも多大な費用が発生します。
なぜなら型を作る目的は、「同じ形を大量生産する為」だからです。汎用バルブは1つの型で何千、何万という数を作るのに対し、特殊面間の型を作った場合、その場限りの数台、まして1台になる可能性もあります。
以上から、規格にない特殊面間専用に「型」を用意することは、減価償却の観点からも手間やコストが大きく発生し、多大な費用が発生するということになります。目的である「型」を使った大量生産に反しているというのを理解しておくべきでしょう。
3.オススメ!バルブの面間についての対処方法3点
ここからは、特殊面間への対処方法を紹介します。
1.新設の場合、規格のある汎用品を使う
これから新しく配管を敷く場合は、できるだけ規格のある汎用品を使いましょう。
なぜなら、取り換えの際に困ることになるからです。
設置をしたのは良いが、いざバルブを交換しないといけない時に、万が一そのメーカーが廃業やそのバルブが廃番になっていた時、交換するバルブを探す手間が発生してしまいます。
特別な仕様の「特殊バルブ」でない限りは、規格品を使用しましょう。
2.相手側配管で合わせる
バルブで面間を合わせるのはコストがかかるので、バルブ相手側のパイプを交換するなどして調整しましょう。長さにもよりますが、パイプ側で調整する方が比較的コストを抑えることができます。
3.薄い面間の物を使う。スペーサー、エキスパンションなどで合わせる。
既設が仕切弁や玉形弁、スイング式逆止弁等の面間が長い物で、それが特殊面間だった場合、バタフライ弁やデュアルプレート式逆止弁等の短面間の物を使用することをおすすめします。そして足りない部分については、スペーサーやエキスパンションで補ってください。
バルブの場合、面間が大きい物を小さくするのは「型」の関係で難しい且つコストも余計にかかるので、そもそも小さい面間の物を選定して足りない部分を補う方が理想的です。
以上、3つの対処法を是非参考にしてみてください。
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4.まとめ
今回は【バルブの面間】について解説しました。
最後に今回の内容のおさらいです。
①バルブは型を使った鋳物で製作することが多く面間はその「型」によって決まる
②特殊面間になりやすいケースは、
1.かなり物が古い場合
2.既設のメーカーが面間を合わせて特注で製作していた場合
3.メーカーのオリジナル品の場合
③バルブの面間を既設に合わせることは可能だが、多大な費用が発生するします。
④既特殊面間への対処方法は、
1.新設の場合、規格のある汎用品を使う
2.相手側配管で合わせる
3.薄い面間の物を使う。スペーサー、エキスパンションなどで合わせる。
以上が今回のまとめとなります。
バルブ選定に「面間」は重要な要素です。
今回の記事がバルブの面間についての参考になればと思います。
その他にもバルブの種類に関して記事にしています。
よければそちらも参考にしてみてください。
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