【注意:言葉の勉強ではありません】「相当品」?「同等品」?どちらを使う?バルブの場合は「同等品」!
こんにちは。近江クリエイト代表のエイトです。
突然ですが、あなたは「相当品」と「同等品」の違いは分かりますか?
何気なく使っているこの言葉ですが、実はこんな意味の違いがあるんです。
「水準や能力が同じ以上である物(同じか優れている)」
「水準や能力が同じである物」や「数値が同じである物」
この言葉、バルブの選定の際にも使っている言葉だと思います。
しかし、この意味で言うと、バルブの場合は「同等品」を使うことになります。
それはなぜか?
今回はバルブ選定においては「同等品」となる理由を解説します。
言葉の勉強ではなく、これを知ることでバルブ選定の時に役立つ情報です。
目次
- バルブの場合は「同等品」
- 「同等品」と決めるポイント4点と注意点
- おすすめ!「同等品」を3つ用意する。
- まとめ
1.バルブの場合は「同等品」
「相当品」と「同等品」と2つの言葉がありますが、バルブの場合は「同等品」を使います。
それは、バルブメーカーのほとんどは汎用バルブを製作しているからです。
そして、その汎用バルブは規格や確立された基本形に沿って製作されているからです。
この汎用バルブについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
【必見】汎用バルブは大手メーカーの物を買うべし!!その理由とは?
なので、どこのメーカーも仕様に大きな差はなく、みんな同じ「同等品」と言えます。
2.「同等品」と決めるポイント4点とその手順
みんな同じ物と言っても、見た目が違ったり、部品が違ったりすることもあります。
そこで「同等品」と決める4つのポイントを紹介します。
①バルブの種類が同じ
まず何と言っても同じバルブであることが前提です。
バタフライ弁に対してボール弁は同じとは言えません。
②接続が同じ
バルブも配管資材なので接続が違えば、それは違うバルブです。
JIS10Kに対してJIS5Kを持っていっても接続はできません。
③材質が同じ
バルブの材料には、鉄(ダクタイル鋳鉄)やステンレス、銅等あらゆる材質の物を使用します。
それぞれに対応する温度や圧力、流体があるので材質も同じでなければいけません。
④検査基準が同じ
これがかなり重要なポイントとなります。
バルブは規格などによってある程度形が決まってきます。
しかし、最後にそのバルブの性能を決めるのは、製品検査です。
なので、同じ検査を実施している物は、同じ性能の物、つまり「同等品」と言えます。
特に汎用バルブの場合は、JISの検査基準(「メーカー標準検査」の場合もJISが基準になっている場合が多い)に基づいて行われますので大抵が「同等品」となります。
検査内容を知りたい場合は、メーカーから「検査要領書」を入手すると分かります。
※注意点
「同等品」は、あくまで汎用バルブにおいて使えることです。
特殊バルブの場合は、「同等品」はありません。
それは、こちら「【超重要】「特殊バルブ」!!選ぶポイントは「個の力」!!~汎用とは違う!!~」でも説明していますが、独自のノウハウで製作する物なので「同じ」はないのです。
比較する手順
- 比較したいバルブの図面と検査内容が分かる物(検査要領書など)を用意する。
- ①~④のポイントが同じかチェックする(おすすめ:赤でマーカーすること)
- 他にも違う点があれば、チェックする(おすすめ:青でマーカーすること)
3.でチェックする所がなく2.で同じ場合は、これは「同等品」と言えます。
もし、3.でチェックする所があれば、その箇所をメーカーに確認するなどして解明してください。
※2.3で色分けしてマーカーすることで、「同等品」ポイントは同じなのかのチェックと「特殊バルブ」ではないかのチェックが分かりやすくなります。
3.おすすめ!「同等品」を3つ用意する
ここからは、バルブ選定をする際におすすめな方法を紹介します。
それは、あなたがほしい、もしくは、よく使うバルブは「同等品」を合計3つ用意することです。
その理由は、A社、B社、C社の3つの物を準備しておくと安定して入手しやすいからです。
例えば、予算が限られている時に比較して購入することもできますし、納期についてもA社の物が遅い時に、B社とC社が早いと、納期で困ることは無くなります。
このように比較する「同等品」を3つ用意すると日々の業務がよりスムーズになります。
特によく使う物であれば「○○バルブは①○○(メーカー)の△△(型式)と②××の☆☆と③・・・」の様に順位をつけてリスト化してもいいかもしれません。
逆に4つ以上は、おすすめしません。
なぜなら、「汎用バルブ」はどこも同じ物だからです。
同じ物をあれもこれも並べても、選択が大変になり手間になるだけです。
さらに粗悪品を掴んでしまうリスクもあります。
なので「同等品」は最大3つまでをおすすめします。
4.まとめ
バルブ選定においては、「相当品」ではなく、「同等品」を使うことについて解説しました。
バルブメーカーのほとんどは「汎用バルブ」を製作している為、「同等品」で溢れています。
「これとこれは同等品だ」と見分けがつくようになれば、バルブの選定が簡単になります。
そしてその「同等品」をリスト化することでバルブの選定が減り、日々の業務がよりスムーズになっていきます。
まず、「汎用バルブ」を理解し、その「同等品」を見分けられるようにしてみてください。