【超重要】「特殊バルブ」とは何??~汎用バルブとは全然違う!!~
こんにちは。近江クリエイトです。
前回、こちらの記事で「汎用バルブ」について解説しました。
【必見】汎用バルブとは何か?汎用バルブを選ぶ際の注意点とは??
今回はその反対のバルブ・・・「特殊バルブ」について解説します。
どういった物が「特殊バルブ」となるのか、また特殊バルブのメーカー選びにおすすめな方法など普段の「ちょっと困った」時に役立つ情報です。
目次
- 「特殊バルブ」とは?
- 特殊バルブには「独自のノウハウ(知識)」がある
- 特殊バルブメーカーの選び方
- まとめ
1.「特殊バルブ」とは?
結論から言うと特殊バルブとは、汎用品ではカバーできない仕様や条件に対応するバルブのことです。
汎用品でカバーできない仕様や条件と言うと、例えば、以下のような時です。
・「キャビテーションによって起こる配管の損傷を防ぎたい」
・「高頻度の開閉でシートがすぐにやられてしまうのをなんとかしたい」
このようなお客様の特別な要望やニーズに応える物を特殊バルブ(特殊仕様)と言います。
特殊バルブの種類
特殊バルブと言ってもその考え方は3種類あります。
①要望に合わせて汎用バルブを改造する
②ニーズに合わせて始めからラインナップに用意。
③要望をヒアリングし一から製作する
①要望に合わせて汎用バルブを改造する
例えば「バタフライ弁を使用したいが、バルブは地下に敷設し、地上の腰の高さ1200mmで操作をしたい」そのような時は、バタフライ弁自体は汎用の物で、操作の位置を延長するよう様に改造することになります。
この時もただ単純にステムを延長させればいいという訳ではなく、そのステムが途中で折れたりしないか、地上での架台の設置方法等、注意点も多くなります。
汎用バルブ+部分的な改造
②ニーズに合わせて始めからラインナップに用意
こちら巴バルブの実例を見てください。
配管にダメージを与えるキャビテーションに対し、「くし歯付のバタフライ弁」を提案されています。
このバルブは、弁体の一部に櫛のような歯を設けている物です。
流体がこのくし歯を通る際、発生する気泡を分散し、キャビテーションの発生を抑制しています。
世の中の「キャビテーションによって起こる配管の損傷を防ぎたい」という非常に多いニーズに対して、メーカーで開発され、いつでも対応できるように特殊バルブとしてラインナップされている一例です。
汎用品の形状とは異なるが、特殊バルブのラインナップとしてカタログ等に掲載(型番がある)
③要望をヒアリングし一から製作する
例えば「粉体用サイロの吐き出し口のバルブを、高頻度の開閉でもシートを消耗せず、長持ちさせたい」そのような時、まず、その粉体の特徴やその開閉頻度等を詳しく確認していきます。そこで見えてくる課題や要望に対して最適なバルブを選定し、さらに設計していきます。
そうして、「シートを摩耗させない構造」にしたり、「摩耗に対して耐久性を持たせる構造」にしたりと、汎用には全くない一からのオリジナルを製作することにつながります。
但し、この3番目のパターンは技術者の腕が相当いる為、かなり稀なケースとなってしまいます。
一から製作する完全オリジナル
2.特殊バルブには「独自のノウハウ(知識)」がある
特殊バルブの製作には「独自のノウハウ(知識)」が必要となります。
なぜなら、汎用バルブの場合は規格があったり、確立された基本の形がありますが、特殊バルブの場合、そのような決まった形がなく、あくまで「独自の理論」を基に設計していくからです。
先の「バタフライ弁を使用したいが、バルブは地下に敷設し、地上の腰の高さ1200mmで操作をしたい」というケースでも、途中で延長した部分が折れないように強度を計算したりしますが、それらも「独自の理論」を基に軸の径を考えます。実は、そこに「正しい答え」というのはなく、全て個人の(会社で決めている場合もある)「設計力」によってきます。
例えば、Aさんは「延長軸はφ30㎜とする」、一方でBさんは「延長軸はφ28mmとする」と言う場合があったとします。単純にBさんの設計した軸の方が細いので強度的に弱いのでは?となるかもしれません。しかし、Aさんが出したのは「計算的理論値」、Bさんが出したのはこれまで20現場での納入実績に基づく「経験的知識」だとすると、どちらの方が生きた設計となるでしょうか?
このように、「独自の理論」というのは、「経験」によって知識化されていきます。
「理論」→「経験」→「知識」ということですね。
「独自のノウハウ(知識)」と言うのは、言い換えれば、どれだけ経験値があるかということです。
机上の空論だけでは、特殊バルブは作れないということです。
3.特殊バルブメーカーの選び方
ここについては、大手メーカーや中小メーカーという差は無く、技術者、営業マンという個人に注目してください。
それについては、特殊バルブには独自のノウハウ(知識)と経験値が必要だからです。
そして、もう一つその選び方として重要なポイントは「思いやり」があるかです。
例えば、あなたの周りにもこのような人はいないでしょうか?
あなたが困っている時、自分の経験談や知識ばかり話して、あなたの話を全く聞かない人・・・
このような人にお客様の要望を叶える「特殊バルブ」を作れるでしょうか?
一方的な「技術の押し付け」になってしまわないでしょうか?
特殊バルブと言うのは、お客様の特別な要望やニーズに応える物です。
そこには、ノウハウと経験値という技術的要素とそれを親身になって考える人の精神的要素が不可欠です。
特殊バルブメーカーを選ぶ際は、技術者でも営業マンでも「あの人なら!」という信頼できる個人を重視してください。
バルブといっても仕様や種類は様々・・・そんなバルブについての相談先は重要!
配管資材におけるバルブは、種類やメーカーも多く、その中から選定するのはかなりの知識と判断力を要します。またお客様の「このような物がほしい」といったご希望を叶えるためには、バルブの知識だけに限らず、現場の経験値や現場の知識が不可欠です。
そこで株式会社近江クリエイトは、様々なバルブ技術者様のネットワークの構築や100以上の現場に赴き「実際に見て考えること」に注力してきました。これら培った豊富な知識と現場経験を元に、仕様・状況に合わせた最適なバルブを提案、選定致します。
4.まとめ
今回は「特殊バルブ」とは何か、そして特殊バルブメーカーの選び方について解説しました。
①特殊バルブとは、汎用品ではカバーできない仕様や条件に対応するバルブのこと
②特殊バルブの考え方は3種類ある
・要望に合わせて汎用バルブを改造する
・ニーズに合わせて始めからラインナップに用意
・要望をヒアリングし一から製作する
③特殊バルブの製作には「独自のノウハウ(知識)」が必要。「独自のノウハウ(知識)」と言うのは、どれだけ経験値があるかということ
④特殊バルブ選びは、ノウハウと経験値という技術的要素とそれを親身になって考える人の精神的要素を持った個人を重視する
以上が今回のまとめとなります。
特殊バルブの考え方は、同じバルブと言っても、汎用バルブとは全く異なります。
今回の記事では、その特殊バルブについて詳しく解説しましたので是非参考になればと思います。
その他にもバルブに関して記事にしています。
よければそちらも参考にしてみてください。
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