【基本】バルブの材料を学ぶ。めちゃくちゃバルブに使う!!そして多様な特性!青銅【CAC406】

バルブの材質も種類が様々・・・
「どんな種類があるのか知りたい」
「それぞれの特徴を知りたい」
このような疑問にお答えします。

 

こんにちは。近江クリエイトです。

僕はこれまで10年間で100現場以上を経験してきました。
そんな僕が実務で使えるバルブの知識を分かりやすく紹介します。

今回は青銅【CAC406】について解説します。

この記事を見れば、青銅【CAC406】の基本的な性質が分かります。
バルブ材料としてのCAC406のことを知りたいと思った方は、是非参考にしてみてください。

目次

  1. CAC406の基本特性
  2. 鉛レス青銅とは?
  3. CAC406製バルブの主な用途
  4. まとめ

 

1.CAC406の基本特性

青銅【CAC406】はバルブにおいてバルブ本体のみならず、ブッシュやスリーブ等の部品にも広く使用される材質です。
JIS規格としてCAC406が使用されています。

【ワンポイントプラス】
よく「BC」(旧JISの呼び方)や「砲金」とも呼ばれます。意味は同じですので一緒に覚えておきましょう。

 

では、ここからはバルブ材料のCAC406として特性を紹介します。

①強度

引張強度195N/mm2以上。
FCと同等、FCDに劣る。

②耐温度

最低温度は-268℃、最高温度は225℃まで。

バルブとしては、-29℃~120℃の静流水、飽和蒸気 0.88MPa(174℃)が使用制限内になる。

③価格

大きさ、重量に対して高価。

④加工のしやすさ

まず、鉄に比べて鋳造がしやすい(量産しやすい)。
さらに加工もしやすい(製造費用も安くなる)。

⑤耐食性

かなり高い。防錆処理をせずとも水に使用して問題ない。

 

耐食性に優れ、鋳造・加工のしやすさから生産性に優れる材料なんです。上述していませんが、「耐摩耗性」にも優れる点は大きなポイントです。その反面、銅自体が高価である為、コストデメリットはあります。

2.鉛レス青銅とは?

青銅バルブの中には、「鉛レス青銅」という物があります。これは、体に有害な鉛を使用せず製造された鋳物です。

JIS記号:CAC411、CAC911

バルブはもちろん給水器具、継手、水道メータ、ポンプ等にも使用されています。

3.【CAC406】バルブの主な用途

耐食性、生産性、耐摩耗性に優れることからバルブ本体のみならず用途は多岐に渡ります。

バルブ本体として

耐食性に優れることから給水用はじめ「水」に関する使用が最も多いです。例えば、住宅用配管周りやポンプ用などで使用されています。

同じく「水」で使用が多いFCがありますが、比較すると以下の様になります。

【FC】
・安価
・耐食性に劣る→防錆処理が必要
・40A以下の小口径は製作が困難(大口径向き)
・接続はフランジ

 

【CAC406】
・高価
・耐食性が高い。防錆処理をせずとも良い
・65A以上は高価すぎる(小口径向き)
・接続はネジ込みタイプもフランジタイプもある。

 

どちらも「水」流体がメインですが、
口径が大きい場合は、【FC】に防錆処理をする、口径が小さい場合は【CAC406】を使用すると区別するのがいいと思います。

尚、【FC】について解説している記事もありますのでこちらも参考ください。
【基本】バルブの材料を学ぶ。バルブに最も多く使われている材質。それがネズミ鋳鉄【FC】。

バルブの部品として

バルブ本体だけでなく「バルブの部品」としても幅広く使用されています。
例えば、このような部品です。

①スリーブ・・・ハンドルやギアの動力をステムの回転に伝達する部品。
耐摩耗性を生かして、回転による消耗を軽減させる。②ブッシュ(軸受け)・・・ステムの回転からバルブ本体を守る部品。
→こちらも耐摩耗性を生かして、高頻度のステムの回転による消耗を軽減させる。

③バルブのシート・・・流体の止水を保つ部品。
→耐食性、耐摩耗性を生かして、バルブの核となる止水性能を守る。
※錆やシートの消耗によって止水性能を損ねる場合がある。

 

【ワンポイントプラス】
同じ青銅として「C6191B」も使用されることがあります。こちらはCAC406の様に鋳造ではありませんが、特性としては同じような物なので要チェックです。
用途:ブッシュやバルブのステム等

 

バルブといっても仕様や種類は様々・・・そんなバルブについての相談先は重要!

配管資材におけるバルブは、種類やメーカーも多く、その中から選定するのはかなりの知識と判断力を要します。またお客様の「このような物がほしい」といったご希望を叶えるためには、バルブの知識だけに限らず、現場の経験値や現場の知識が不可欠です。

そこで株式会社近江クリエイトは、様々なバルブ技術者様のネットワークの構築や100以上の現場に赴き「実際に見て考えること」に注力してきました。これら培った豊富な知識と現場経験を元に、仕様・状況に合わせた最適なバルブを提案、選定致します。

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4.まとめ

今回は青銅【CAC406】について解説してきました。

最後に今回の内容についておさらいです。

耐食性、生産性、耐摩耗性に優れ、バルブ本体としてだけではなく、バルブの部品としても非常に多く使用されている

②比較的高価

「水」流体を中心に使用されることから【FC】と比較できる
・【FC】・・・口径が大きい場合に(65A以上)。防錆処理が必要。
・【CAC406】・・・口径が小さい場合に(50A以下)。防錆処理が不要。

以上となります。

特に銅は、値動きが激しい材料なので、急な高騰もあります。
その動向は、LME(ロンドン金属取引所)のホームページでも確認できるので参考にしてみてください。

以上がバルブ材料の【CAC406】について基本特性となりますので、是非覚えておいてください。

 

その他にもバルブの材質に関して記事にしています。
よければそちらも参考にしてみてください。

☟バルブの材質に関する記事

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